朱色を紫に

徳島繊維卸団地 ㈱山善のてるよ女将こと山口てるよです。
暑い夏が続いています。
それでもお盆を過ぎたら、朝夜の風は少しだけ涼しくなったように思います。
静かなお盆休みが終わり、秋はすぐそこまで来ていると思えば、我慢できそうな気がしています。

付下げの地色を変えること

色無地は、好きな色に染め替えできますよね。
ところが、訪問着や付下げは、柄があります。
その上、大変高価な品が多い。

でもご両親が準備してくださった大切な着物だったりして、
地色が派手になっても諦められない。
そんな経験はありませんか?

今回ご相談いただいた付下げもそんな逸品でした。
とても背の高いお客様なので、柄の大きさは違和感なく着こなされるものの、
さすがに朱色は、無理だと思うとのことでした。

朱色の付下げ
朱色の付下げ

染め変えるとなると、柄を残さねばならず、手間暇かかるものとなります。
しかも、地色を抜くことができないため、朱色を消せる色は限られます。
「でも大切な着物なので、チャレンジしてみたい。」
というお気持ちをお聞きして、メーカーさんと相談しながら進めました。

しっかりした生地の付下げ
しっかりした生地の付下げ

背が高い方なので、袖丈も長いです。
今回袖丈はそのままの長さにします。
まずは、解いて、一反の反物にもどし、洗い張りをしてから染めます。

朱色が消える色を提案していただきました。
紺色か紫なら、と言う事で、紫を選ばれました。

図柄を糊でしっかり伏せて、その後、引染めで色を重ねていきます。
引染めは、生地をピンと張って、刷毛で染料を重ねていく染め方です。
ドボンと染料に浸ける染め方ではなく、大変時間と手間のかかる染め方。

人の手で染めますので、最初から最後まで同じ色を出し続けるのは至難の業。
広い場所も必要ですし、
風・光・温度にも左右されるデリケートな染め方です。

その分、仕上がった着物には独特の柔らかさやしなやぎが出て、身にまとうと良さを実感することができます。

加賀五彩の引染めの着物をまとった時の優雅さは、有名です。

染色後の付下げ

濃い紫に染めあがった付下げ
濃い紫に染めあがった付下げ


元々の生地も良く、大変深い紫色に出来上がりました。
元の模様は、綺麗に残っています。
金駒刺繍も取れずにすみました。
よかったです。

模様のきわまで染まりました
模様のきわまで染まりました

拡大してみても、本当に模様のきわまで、きっちり紫が入っています。
京都の職人さんの技はすごいですね。

付下げ衿元の様子
付下げ衿元の様子

体型が若い頃と変わってらっしゃらないので、昔の筋も出ていません。
これで、まだまだ、長く着られる付下げとなりました。

時間と手間のかかる作業ですが、手を入れてあげると、このように着物は長くきていただけます。

着物を大切に着たいと思って下さるあなたの為に、これからも仕事を続けていきたいと思っています。

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会社名 株式会社 山善
場所 〒770-8056 徳島市問屋町46番地
定休日 日曜午後、祝日、 第一第二土曜
営業時間 午前8時半~午後5時半
TEL 088-623-2366

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