図書館戦争シリーズ:有川浩著

徳島繊維卸問屋 ㈱山善の着物の先生、てるよ女将こと山口哲代です。
阪急電車、塩の町、植物図鑑、三匹のおっさん、フリーター、家を買う。
有川さんの本は好きで、たくさん読んだのですが、ハマりそうで手を出さなかった図書館シリーズ。
とうとう、手をだしてしまい、やっぱりハマって、一気に全部読んでしまいました。
もうずいぶん前に読了していたのですが、書くのが遅くなりました。

図書館戦争は、メディア良化法の行き過ぎた検閲から図書を守るため、組織された図書隊に入った、笠原郁という女性と、その上官堂上篤が主人公。
一巻から4巻まであります。

一巻は、郁が入隊して研修を受ける場面から始まります。
なぜ郁が図書隊に入隊することを決めたのか、その理由とともに、研修期間の郁の成長が描かれています。
堂上教官に厳しく育てられ、成長していく郁の姿が胸を熱くします。
だから、次の巻をよみたくなるのですね。

二巻「図書館内乱」は、郁の両親の様子、小牧教官と鞠江ちゃんの様子、郁の親友である柴崎と朝比奈さんとの出来事、郁の同僚、手塚兄弟の話と、郁を取り巻く人々の話が多く含まれます。
でも、それは最後に降りかかる郁への苦難の序章のようなもの。ドキドキしながら読みました。
そして最後に大きな発見が郁にあり、終わります。
そりゃー、3巻が読みたくなりますわ~。

3巻「図書館危機」は、郁が王子様を卒業する場面からスタート。
郁の反省が可愛くてニマニマしてしまいました。
一年たって、昇任試験を受けるあたりはほのぼのと楽しく読めました。
でも真ん中の章、「ねじれた言葉」は、考えさせられたなぁ・・・
現在、私が思っているよりたくさん、言葉は制限されていて、報道や本の表現って窮屈なんだな。
表現の自由、守ることが大切なんだと、肝に銘じました。
郁が地元茨城に帰って図書を守る仕事をるのですが、とてもしんどい仕事の様子が丁寧に描かれていました。
玄田隊長の大けがと稲嶺指令の退任で三巻は終わります。

4巻「図書館革命」原発テロが発生。その様子に似た本を書いた著者、当麻を守ること。
熾烈な場面が多い中、郁の恋にホッとさせられる。
果たして任務は無事に終えられるのか?
郁の恋はどうなるのか?柴崎は?
読み応えのあるシリーズの最終巻にふさわしい4巻でした。

単行本の巻末には、今は亡き児玉清さんと有川さんの対談が掲載されています。
そこを読むと、一気に作品が深まります。
あー、そういうことを意識して書かれたんだなぁとか、なるほど、そういう視点もあったのか、とか。
とても素晴らしい連載が巻末に準備されています。

そしてショートストーリーも、付いています。
郁を取り巻く人々の息吹が伝わるよう。
それもすごくおもしろかった。

2度3度楽しめる図書館戦争。
やっぱり、ハマって読んでよかったです。
言論の自由、大切にしなきゃと心から思いました。

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