母から娘へ伝える着物

徳島繊維卸問屋 ㈱山善のてるよ女将こと山口哲代です。
お孫さんのご結婚が決まったS様。
ご自分の留袖を長女様に譲られることにされました。
S様も娘さんもお孫さんも古典柄が大好き。
代々引き継いていただけるきものや帯はとても幸せだと思いました。

しらさぎの柄

シラサギは、清らかさをあらわし、通年着ることができる柄。
萩や牡丹、松にあやめと、四季折々の花や、景色が、巻物の中に描かれています。
とっても手が込んだ柄ですね。
コチラの留袖は、衿と袖底のお手入れをさせていただきます。

束ね熨斗とは

袋帯は束ね熨斗。
もともと熨斗とは「のし鮑」のことで、鮑を細長く引き伸ばしたものを紙に挟んで祝儀の進物に添えたのが始まり。
御祝いの熨斗をよく見ると真ん中に黄色いものが描かれていますよ。(それが「のし鮑」をあらわしています。)
その熨斗を束ねた模様が束ね熨斗です。
おめでたい事やお祝いの気持ちが束ねられているんですね。
そして束ね熨斗は、人と人との絆やつながりを表しています。
その長さから長寿も示していると言われ、とってもおめでたい模様なんです。
本当に素敵な組み合わせで、何代もお使いいただけると思います。
帯は、表生地と裏生地の釣り合いを直させていただくことにしました。

ぐし縫いは解かない

留袖には、裾、袖口、衿と白糸でぐし縫いが施されています。
訪問着などの揚げにも施さることもありますね。
本当に緻密で丁寧な加工。和裁士さんの腕前がいかに素晴らしいか、よくわかります。
この加工は「解くしつけ」ではありません。
高価なきものにかける「飾りしつけ」です。

高価な訪問着にもかけてあることがあります。
絶対に解かないようにしてくださいね。

留袖着用のルール

留袖は染め抜き日向紋を五つ付けます。
紋の位置は背中心、両外袖 両胸です。
留袖は、一番格調高いミセスのフォーマルな着物となりますので
新郎新婦のお母様やお仲人婦人、近い親族の方の着用となります。

白の長襦袢に白の半衿。
ピンクの長襦袢は着ませんよ~。

そして留袖は比翼仕立てです。

帯揚げ帯〆も白か金・銀。
カラーのモノは使いません。

黒い骨に金銀の地紙の末広を帯の左上側にさします。

フォーマルな席のルールはきちんと守らないと、この時ばかりは失礼にあたりますし、
恥をかきますので気をつけてくださいね。

来年の結婚式が楽しみですね~。
しっかりお手入れさせていただきます。

12月の展示会のご案内

年末に展示会を開催いたします。
是非着物を着て気軽にお越しくださいね。
お待ちしています。

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