果たして袋帯の色を変えることはできるのか?
袋帯の色を変える
振袖の時に締めた袋帯。
花の色が派手になって、締められないので何とかしたいというご相談です。
お嬢様がいらっしゃったら、差し上げることもできるのですが、
周りにそういう方はいないので、渋くして、ご自分で大切に使えたらうれしいとのことです。
西陣織の袋帯
着物の染め替えはできることが多いのですが、袋帯の染め替えはちょっと難しいのです。
すべて、絹糸で織られています。染物ではない分とても難しい・・・。
糸全部が染まってしまいます。金彩がうまくいかないこともあります。
縮むこともあります。
しかし、どうせ使えなくて置いたままなら、チャレンジしてみるということになりました。
一度袋帯の仕立てを解いて京都で染めてもらうことにしました。
訪問着の色は銀鼠色。
そちらにも使えるように、ごくごく薄いグレーを全体にかけてもらうことにしました。
袋帯色変え仕上りの様子
そうして出来上がったのが、コチラ
なんとも上品で、ぐっと渋くなりました。金彩もそのまま残っています。
幅は5mmほど縮んだだけで、大丈夫でした。
まだ50歳のお客様ですので、これから長い間締めていただくことができる袋帯となりました。
解いた帯を元通りに縫い直して、芯を入れて仕立てました。
大成功で、この袋帯に合わせて、振袖も色無地に染め替えしました。
そちらもまた、ご報告したいと思っています。
こんな風に、袋帯も再生する方法もあります。
高価な袋帯は財産です。どうぞご相談くださいませ。
徳島市問屋町46番地
株式会社 山善
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