てるよ女将の夏休み3-足立美術館
徳島繊維卸問屋 山善のてるよ女将です。
同窓会の翌日、念願の足立美術館に行くことができました。
ずいぶん以前から「行きたい」と口に出して言っていたら、願いが叶いました。
とてもうれしいことです。
足立美術館は、日本画と日本庭園で有名な美術館です。
今回は夏の展示でした。
日曜日だったので、大勢の方がいらっしゃっていました。
それでも、今日はここだけじっくり見て帰ると決めていたので、ゆっくり見て回ることができました。
館内は当たり前ですが、お庭以外撮影禁止です。
入館してすぐの、工芸コーナー。
漆芸の美しさ、緻密さにとても驚きました。大きなものもたくさんありました。
底とか蓋の裏とか、目につかないような場所までとても美しく、職人の粋やほこりを感じました。
こんな細かい細工がよくできるなぁと、次男とひそひそ話ながらじっくり見ました。
桂離宮にある松琴亭を模してつくられた茶室がありました。中に別料金で中に入ることができます。
今回は入り口で失礼しました。
次のお部屋は、キンダーブックなどに描かれていた小さくてとても細かな絵の童画コーナー。
ほのぼのと癒されるかわいらしい絵。原画ってやっぱりすごいですね。
いよいよ日本画のスタートです。
まずは、小展示室。
最も印象に残ったのは、大橋翠石の「虎」です。とても平面には見えない。
盛り上がっているように見えます。本当に虎が生き生きと美しく描かれていました。
大橋翠石は生涯虎をたくさん書き続けた画家です。
菱田春草の「猫梅」もかわいらしかった。早春の寒い中、梅の花がほころび始めたその木の下で
猫が毛をふくらませて眠っている絵。ふっくらとした猫と梅の木がとてもよかったです。
次に大展示室は、榊原紫峰とその仲間たち。
榊原の代表作「秋草」。白菊の胡粉が立体的でとても美しく、鶏頭の赤も独特でした。
そして構図が抜群です。空間がより一層秋草の美しさを引き立てていました。
他の作品もとにかく素晴らしい。どこをどう描くか。切り取り方がとにかく綺麗で動きも伝わる作品が多かったです。
そして横山大観特別展示室。
有名な大観ですが、本物を見るのは初めてです。風と光をとにかく美しく描ける画家でした。
しかも、ほんの少しの濃淡だったり、空間だったりして。
雲や海の描き方も抜群でした。墨絵でも色が見えるよう。
唐墨ってすごいんだなぁと思いました。
横山大観=富士山のイメージが覆されました。
もちろん富士山はすごいんですけど、それ以外の作品も素晴らしかった。
陶芸館で河井寛次郎と北大路魯山人を見ました。
魯山人は奇抜なのかと思っていましたが、普通に使える器も多く驚きました。天目茶碗もあり、見入りました。
新館は、現代日本画展。大きな作品が多く、ポップな絵も多く描かれていました。
洋画と違って、岩石を砕いた色は独特でした。昔の日本画とはことなり、まさに現代風。
面白かったです。
沢山歩くと思っていたので、履きなれた靴で行ってよかったです。
春夏秋冬で違うイメージになる庭も含めて、四季折々に訪れたい美術館だと思いました。
厚い最中、たくさんの庭師さんが木々の手入れをされていました。
美しい庭を守るのは、一年中の努力の成果なんだなぁと思いながら美術館を後にして、帰路に付きました。
念願の美術館を堪能できて、充実感でいっぱいです。
私は写真を撮るにも構図が下手だとよくわかりました。
何を伝えたいか、空白の美を考えようとつくづく実感しました。