「まんぷく」の花嫁衣裳

徳島繊維卸問屋山善のてるよ女将です。
NHK朝の連続テレビ小説が「まんぷく」になりましたね。

主人公、福子さんのお姉さまのお嫁入の衣装が室内に飾られています。
私の目はいつもその衣装に釘付け。
今日は、その着物について書きます。

黒地の花嫁衣裳

今の時代婚礼の打掛と言えば、華やかな色とりどりの豪華なものですが、
昔は華やかな衣装を身に着けるのは、一部の裕福な家庭のお嬢様だけで、
一般庶民は、黒の縮緬生地に裾模様が主流でした。
袖も留袖か中振の長さで、下着に白羽二重の着物を着ていたそうです。

今回のドラマで飾られている衣装も、黒地縮緬の裾模様。
おばあさまから伝わった衣装のようです。
と、いう事は、明治~大正時代の着物のハズ。
赤い紅絹の裏地がとても映えてキレイですね。
内田有紀さん演じる咲さんが着たらさぞやきれいでしょうね。

さて着るのかな?着ないのかな?

金駒刺繍での図柄

裾模様はどうやら金駒刺繍(きんこまししゅう)で描かれているように見えます。

金駒刺繍とは、刺繍針に通らない金糸の糸を下絵に沿ってはわせ、その糸をとじ糸で留めていく刺繍方法です。
糸をとじ糸で留めつけるってすごいですよね。

鷹の外側の金駒刺繍

鷹の外側の金駒刺繍

こちらは、七五三のためお預かりした、高価な男の子の宮参り着に施された金駒刺繍です。
鷹がより一層立体的に見えます。金糸が糸でとめられているのがわかりますか?

牡丹の外輪の金駒刺繍

牡丹の外輪の金駒刺繍

こちらは、振袖に施された金駒刺繍です。
曲線に次ぐ曲線。もう、大変そう・・・

拡大するとよくわかりますね。
二本の金糸を赤い糸でとじています。
生地にぴったりくっつくように、刺し終わったあと、鹿革でなめして密着させるそうです。
そうせねば、糸が緩んだり、離れたりということも考えられます。

金駒刺繍の様子

金駒刺繍の動画がありましたのでご紹介いたします。
とにかく、細かく地道な作業です。
今や、この技術を習得されている方はすくないんじゃないかなぁ。

「まんぷく」で飾られている黒の中振袖は、裾模様の金糸がすべて金駒刺繍のように見えます。
菊や桜などの花に流水まで全てです。
本当に黒の縮緬に金糸が映えて美しい。裏地の紅絹(もみ)も美しい。

ドラマも面白いですが、ついつい着物や帯などに目が行く私です。
松坂慶子さんの着物も銘仙だったり紬だったり、とても綺麗で見ていて楽しいです。
これからも目が離せません。

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