着物の防寒対策:その①足袋

徳島繊維卸問屋 ㈱山善のてるよ女将こと山口てるよです。
着付け教室の生徒さんから、「ネルの足袋ってありますか?」とご質問をいただきました。
あります、あります。
冬の季節の着物に必須のネルの足袋ですからね~。
今日は、そのお話です。
一月は一年で最も寒い季節ですもんね。

冬の季節と着物

二月よりも一月が寒いんですね。
けれど、その時期に着物を着る機会は沢山あります。
でも着物って、体の中心部はとても暖かいのですが、首や手首足首などを冷やす構造になっています。


ですので、今日は足袋の防寒対策をお伝えします。

足袋の種類について

冬以外の足袋は晒裏

足袋にも夏と冬があること、ご存知でしょうか。
汗をかく時期の足袋の裏生地は、晒(さらし)裏で、つるんとしています。

おもとめやすいテトロンブロードの足袋にもちゃんと晒裏の表示があります。

高級な綿00%の足袋にも。

これが、冬以外の季節の一般的な足袋です。
でも冬はこれでは寒い・・・ですよね。

冬の足袋はネル裏

そこで、表生地は同じでも裏生地にネルを使用しています。

私の使いこんだネル足袋の裏側で申し訳ありませんが、こんな感じです

表袋にもネル裏の表示がありますね。
高級な綿00%の足袋もネル裏になっています。でも表示はないみたいですね。

キャラコとブロードの違いはキャラコが平織りなのに対してブロードは綾織と言う織り方の違いで、木綿であることに変わりはありません。
綾織のブロードは光沢がありますが、第一礼装には平織のキャラコを使うことが多いです。繊維が平らなので、着物の裾も傷みにくいんです。

甲綿入りクッション足袋は最強


そして、最近私が愛用しているのが、足の甲の部分に綿が入っていて、
足袋の底にポリウレタンの芯が入っているもの。

これ一足で底冷えを防いでくれるんですよ。
横から写してみると

下が晒裏、真ん中が綿100%のネル裏 上が甲綿入りの足袋です。
これだけ、厚さが違うので、寒さの防ぎ具合も違うわけです。

足袋にもインナーが?!


但し、甲綿入り足袋は、表生地が綿100%ではありません。
綿100%の足袋を履く場合は、足袋の中に足袋インナーを履いたりして寒さを防ぎます。

静電気との関係

綿100%の足袋が喜ばれるわけは、静電気を起こしにくいからなんです。
茶席など絹の着物で、立ったり座ったり、歩いたり、動きが多い場合、静電気は要注意なんです。
静電気は埃を呼びますし、足に着物がひっついて困った・・・と言う事もふせぐため、足袋も綿100%が良いというわけです。
着物も傷みません。

但し、足袋だけではなく、下着類にも注意が必要なんですけどね。

衣類の帯電図です。
マイナスに帯電しやすい素材と、プラスに帯電しやすい素材がありますよね。
絹は若干+寄りです。綿は帯電しにくい素材。
ですので、綿の足袋が重宝される訳なんです。
下着も然り。
綿の下着は帯電しにくいのでいいですよね。

ちなみにポリウレタンはアクリルより左側、キュプラはレーヨンとほぼ同じ位置になります。

甲綿入り足袋は4割ほど、ポリエステルやポリウレタンが入っているので、
私はほんの少し短めに着物を着ています。(底冷えの寒さにはかなわない・・・)

道中の埃をふせいでくれる、足袋カバー。
こちらはポリエステル100%です。
重ね履きになるので、冷えもふせいでくれますよ。

ちょっとしたことですが、奥の深い足袋のお話でした。
コチラの記事もわかりやすくまとまっています。

https://ameblo.jp/patahowatetu/entry-12244257375.html
どんな足袋がいいの?

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